自分の手のひらに星を集める (mazar be Bracha & Tsumugi)
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光と闇

あの縁側の鳥かごの中で、宇宙を表現できたら素敵やな!




BIWAKOビエンナーレ2012に参加させてもらうことになり
3月に会場視察をしていて、ピンときた。



この古めかしい鳥かごの中で宇宙!
こんな小さい中でどしようか!?と、思うだけでドキドキした。


しかし、鳥かごで表現する宇宙は、自分の中で白紙のまんま
時間だけが流れて行った。


ビエンナーレは9月からで、刻々と迫ってきている。

それとは別に、一年前から構想を練っている、
月の満ち欠けを表現するアクセサリーもカタチにできず、そのままになっていた。

他にも、待ってもらってる仕事もいくつかある。

色んなものが迫ってきてて、焦らなきゃいけなのに
焦るでもなく。。

おいおい、どうなるねん!? どうするつもりなん私???

自分でもどうしたいのか、どうしようもなかった。


全部カタチにしたいのはもちろんだけど、どうにもできない。
何故できないのかは自分でも見当がついた。

私は自分の中に闇を作り出してしまってた。

その闇が大きくなりすぎて、どう考えても邪魔している。

けど、何が闇を作り出しているのかは分からなかった。


とにかく、闇から目を背けて、少しでも前に進めなきゃな。。と
宇宙の勉強を始めた。

本を読んでみたけど、難しくって、宇宙に詳しい友達に聞いてみた。
自分の周りに宇宙に詳しい友達がふたりもいることも幸運だ。
それぞれふたりに、宇宙に対する問いを投げまくった。

「天の川って何なんやろ??」から始まり、
太陽系を飛び出し、感覚は銀河に広がり、さらに銀河を飛び出し、
宇宙空間に広がっていった。

ビックバン、ブラックホール、量子力学


宇宙は知れば知るほど不思議に満ちていて
宇宙が広がり続けるように、私の感覚もどんどん広がっていって
自分の抱える闇が何なのか、急速に理解し始めた。


全くシンプルに考えると
宇宙の根源的な力というか、働きというか、
宇宙のエネルギーの根源は、「引き寄せる」なんだ。。。

そう感じた時に、一体私は何でこんな闇を集めてしまっているんやろう??と
ようやく自分の作り出した闇に目を向けようという気になった。


そうして、宇宙の不思議を紐解くのと、自分の闇を紐解く事が、
自分の中で同時進行していった。

 
自分でも、見ないようにしてきたけど、
はっきり言ってしまうと、私はここしばらくヤル気がなかった。
何をやっても心から楽しめないような。。
そんな状態が続いていた。
どうすればいいか分からないけど、とにかく、闇を引きずっていた。


「なんかどうしようもないけど、やる気でないねんな。。」
と、思い切って友達に打ち明けてみた

「自分自身の事が許せてないんだよ」と、言われた。

その一言で、自分が作り出してた闇の正体がスルスルと呑み込めた。


そうだ、私は自分自身が許せてないんや。

今こうしてる自分自身を許せてないんや。。。


辿ってみると、それは震災以降からはじまってた。

震災直後は、復興ムードと外の人間が頑張らなきゃという空気に満ちていて
私もそこに乗っかれていた。

けど、半年もしたころから、何かを抱えていた。
その頃、私は、月の満ち欠けをアクセサリーで表現しようと必死になっていたので
自分の抱えた闇は見ないように、自分の仕事に集中しようと思ったけど
当たり前だけど、こんなに心に闇を抱えたまんま作れるわけもない。

どんなに頑張っても、月の満ち欠けはカタチにできなかった。

そしてそのまま時間だけが流れて行った。


そうなんだ。。

目を向けてようやく気づいたけど、私の心に引っ掛かってたのは、福島なんだ。


今も何も解決していないのに、変わらず世の中は進んでいってること。
あまりに表面的な事ばかり取り繕われていて
そこがそもそも理解できなくて、苦しかったんだ。


ホントにこのままでいいんやろか??
こんな状況でも、経済が優先され流れていくなんて、やっぱりおかしくないか?
ちゃんと立ち止まって真剣に議論すべきことなんじゃないんかな??

けど、そのまま世の中は進んでいく。
そして、自分も間違いなくその上に乗っかている。
嫌やと思いながら、乗っかってて、一緒になって福島にフタしてるような。。
だからって、私も仕事を優先させて、福島のために活動することもしない。
自分の環境を守りたいんだ。

混乱して、一旦もう情報を入れるのをやめた。
情報ばっかりでもうパンパンになってしまう。
福島の状況を知ることもなければ、自分の仕事に集中できるのではと思った。
けど、そういう訳でもなかった。

私は、ちっぽけでも自分の表現を続けたいし、それを守ろうとしている。
しかしそれは、ホントに守るべきものなのか?
だって装飾なんて、こんな時にも必要なものなのか???

みんなはどうこの気持ちにケリをつけて活動しているのだろう?
震災以降、多くの人がますます活発に活動しているように見える。

そんな風に考えてるうちに、
そもそも、こんなお金ありきな物質社会がどんどん嫌になってきた。
だって、ホンマは生きるのにこんなにモノいらんやん。
いちいちとらわれすぎて、何が主体か何が大事なんか分からん事が多くって煩わしい。
何かみんながお互いを縛りあってるような違和感。

物質的なものが嫌になりすぎて、体まで重たく感じる。
なのに、まだモノ作ろうとしてる自分が許せなくなってたんだ。

以前に、世の中の侵略戦争ばかりな事を嘆いて動けなくなっていた時と
全く同じ状況におちいっていた。
人間社会に絶望しそうになっている。

ここまできたら、そもそも闇の中心は何だったのかとっくに見失っていた。



そんなどうしようもない中で、宇宙に意識が向いた。


宇宙という、超現実的な、超物質的なものをつき進めていくと
逆に、今までの物質という概念がフッと消え去っていくのを感じた。
物質社会に絶望しかけていた、自分の闇をも溶けていくのが分かった。

宇宙と自分の中の闇が、不思議なほどシンクロしはじめた。


そうして、自分の闇を抜けるのと同時に、
ビエンナーレで表現したかった「鳥かごの中の宇宙」が見えはじめた。

その鳥かごの中の宇宙のビジョンが、完璧に見えた時に、
友達に何度も説明してもらったけどいまいち理解できてなかった
「量子力学」の感覚がストンと身体に入った。

なんかいろんな事が突然に腑に落ちて、身体に入るという
説明しきれぬ爽快感を味わった。


当たり前だけど、福島の状況は何も変わっていない。
ただ、私の中の感覚が変わっただけだ。

このエネルギーに満ちた物質社会にたいする感覚が変わった。
もっと味わい楽しもうかという気になれた。

もちろん、福島の事が引っ掛かり続けている事は受け入れて行こう。
フタして誤魔化そうとして、何が引っ掛かってたのかも見失ってたんだから。


こうして、一年間引きずってきた闇を抜けた。

これでやっと、月の満ち欠け、そう、光と闇も表現できる。
きっと自分の中の闇を乗り越えなければ「光と影」は表現できなかったのかもしれない。

あぁ〜、長かった。




理解はできないけど、ずっと心に引っ掛かっていた
古代キリスト教の哲学者アウグスティヌスの残した言葉

「神のいる場所は明るさと暗さの接触する境界線上にあります。」

この言葉が心に沁みいって、はじめて理解できた。