自分の手のひらに星を集める (mazar be Bracha & Tsumugi)
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星々のかなしみ

(春に書いていてUPし忘れていた記事です)



あたたかな春の日の昼下がりに
車で30分ほどのところにあるギャラリーを訪ねた
そこは、空間が何とも素敵で
さらに置いてる作品も好きなので、よく訪れている。

そんな中で、一点の絵に釘づけになった。

なにこの素敵な世界観!


しばらく見入った末、タイトルを見た


「未踏の星空」(山下陽子)



み、み、み、未踏の星空!!!???


ななな、なんて素敵な言葉なんだ。。

絵も素晴らしいけど、タイトルも絵に劣らずピッタリだ!

「未踏の星空」という言葉を胸に、ますます絵に見入ってしまった。


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ひと月ほど前、図書館で美しすぎるタイトルの本に出会った。

「星々のかなしみ」

宮本輝さんの本だ。

「星々」も「かなしみ」も,使い尽くしてきたかのような言葉なのに、
この絶妙な組み合わせで、無限の広がりを感じる。

もちろん、読んでみた。

予備校生が、喫茶店に飾られていた「星々のかなしみ」というタイトルの絵に惹かれて
盗んで自分の部屋に飾ってしまうお話なのだけど

その大学生の気持ちが良くわかった。
さすがに、私は「未踏の星空」を盗みはしなかったけど。。


この一ヶ月、事あるごとに頭の中に「星々のかなしみ」という言葉が浮かんでいる。

浮かんだら、しばらくは「星々のかなしみ」に頭の中が支配される。
一度浮かんだらなかなか退かない。
それは言葉の美しさ故、仕方ないことだ。


本の中でも、主人公たちが3人で、絵画につけられた
「星々のかなしみ」というタイトルの美しさについて論じあっていた。
このタイトルだからこそ、絵も深みを増すんだなぁと。

「そうなんだよ!確かにそうだよ!」と、
4人目になった気分で予備校生たちの話し合いに参加していた。

「それにしても、こんな美しい言葉よく思いついたと思わない?」


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ギャラリーからの帰り道、あまりに「星々のかなしみ」という言葉が頭に浮かび、
無性に文字で書いてみたくなって、カバンからノートを取り出した。

言葉の美しさに比べて、
今取り出したノートに記された 自分の文字の汚さに
(色々思い立った時に走り書きするので、恐ろしいほど雑な文字)
一気に現実に引き戻され
そこに、「星々のかなしみ」と書き記したい衝動はすっかり消え失せてしまった。

はぁ〜
字はもっと丁寧に書かなきゃなぁ。。。


それにしても、
私の頭の中はいつまで「星々のかなしみ」に支配されるのだろうか。。
今度は「未踏の星空」までも加わってきた。


普段当たり前のように使われている言葉の
ちょっとした組み合わせで、思わぬ世界が広がりだす。

言葉の深さを感じる今日この頃です。