自分の手のひらに星を集める (mazar be Bracha & Tsumugi)
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90歳差


お盆に、鹿児島の祖母を訪ねた。

山の中にポツンとある母の実家。


幼い頃、母に連れられ私たち兄妹は、夏は鹿児島で過ごしていた。

だから今でも説明しようもないほど鹿児島が大好きで

行くと考えただけで、お腹の底からワクワクがこみ上げてくる。


最近、琵琶湖大好きな人と友達になった。

彼女も、幼い頃、休みのたびに琵琶湖の祖母の家を訪ね

琵琶湖で遊んでいたそうで

だから今でも琵琶湖が大好きだ。


鹿児島に向かう道中、彼女が琵琶湖の話をする時の

どうしようもなく琵琶湖が好きな様子が思い出された。


あぁ、そうだ!私にとっての鹿児島もそれなんだ!

幼い頃 繋がった自然は、どうしようもないほど身体に染み込んでいて

人生に組み込まれているんだ。


青にとっては、滋賀がそんな土地になるのかもしれない。。




祖母は91歳。

もうすぐ1歳の青と90歳差


子供3人、孫7人、曾孫15人。

鹿児島の人独特の、のんびりした空気の人だ。


農家の嫁だった祖母は、この春に調子を崩すまでは、

ずっと何十年もの間、休むことなく野良仕事で身体を動かし続けてきた。

手も顔も真っ黒でシミだらけでシワシワ

まさに土の人だ。


そんな日中ほとんど外でしか見たことない祖母が

ずっと家で寝込んでいるなんて。。

だからはじめて、祖母とゆっくり話せた。


昔話をたくさん聞かせてもらった。

コテコテの鹿児島弁なので、理解できない部分も多々あったけれど。。

(鹿児島弁はコテコテとは言わないのか?)



改めて、すごい変化を生きてきたんだなぁと思った。

お嫁に来たころには、まだ水道もないし、電気もないような時代だった。

今頼り切ってるものが全部ない時代。

とにかく、身体を使って生きてきた時代の人だ。


車もなかったので、子供が病気になった時も、

おんぶして何時間も歩いて町の病院まで連れてったとか

今からじゃ考えられないような話がたくさんあった。


若い頃のおじいちゃんの写真が一枚だけしまってあるよというので

タンスの中をゴソゴソ探してみる。

戦争に行く前に祖母にくれた大切な写真。

若い時のおじいちゃんはキリッと男前だった。

おじいちゃんが亡くなって、早20数年。

この写真がまた見れて良かったと祖母は嬉しそう。


建てられたばかりのピカピカの祖母の家の写真もあった。

今はもうだいぶ傷んでしまっているけれど、

母が育ち、私たち孫にとっても夏休みの思い出が詰まった大切な家


当たり前だけど

この家にも、こんなに綺麗で「今からはじまるぞ!」って時代があったんだなぁ

ちょうど家を改修し、子供と暮らし始めた自分と重なる。

祖母が年老いたように、今は家も年老いた。



祖母と話してたら、抱っこしていた青が寝てしまったので

横になっていた祖母の隣に寝かせた。


赤ちゃんが横に眠る幸せを、久しぶりに祖母にも味わってもらいたかったし

曾おばあちゃんの横に眠る安心感を、青にも味わってもらいたかった。


その途端、ふわっと祖母の表情が緩んだ。


そして、幼い母を横に寝かせてた頃を思い出したようで

遠くを見ながらその時のことを話し始めた。


気が付くと、今まで見たことない表情の祖母が横たわっていた!


美しかった。

ものすごく美しかった!

ビックリして見とれてしまった。


何だろう。。

なんか知ってるなぁこの感じ。。


あぁ、そうだ!

産後だ!

あの産後の恍惚とした感じだ!

出産という大仕事を終えた充実感と同じような気配が祖母に漂っていた


清々しかった。

あぁ、祖母は人生にもう悔いがないんだ。

祖母は人生という大仕事を終えようとしているんだ。


この祖母の人生の先に、母の人生、私の人生、青の人生が続いていく

そんなただ当たり前のことが

静かに体に染み込んだ。



秋の終わり

祖母は、おじいちゃんの命日まで生きて

それから数日して亡くなった。

おじいちゃんが迎えに来てくれたのかもしれない。



祖母のあの表情は、私の人生の宝物になった。


ありがとう、おばあちゃん!


ありがとう!